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読み物あれこれではスタッフが各々勝手きままな読書感想文を書いております。暴言・無知・恥知らず・ご意見はいろいろお有りでしょうが、お気に召した方だけお読み下さい。
   
Mar.2024
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君のクイズ 小川 哲

地上波のテレビにてクイズ番組というものは欠かせない存在だろう。
そのクイズ番組の裏側をえぐるようなお話だ。

数々のクイズ番組での優勝経験のある人が主人公。

場面は生放送のTV番組『Q−1グランプリ』という番組で優勝賞金なんと1000万円。
主人公氏は決勝まで勝ち進み、対戦相手はテレビタレントのクイズ王。
正直負ける気がしない状態で臨んだが、序盤優勢で進むものの最終を前に追いつかれてしまう。

クイズの早押しにては、問題の確定ポイントというものがあるという。
もちろん問題を最後まで読み手に読ませてしまえば、確定なのだが、前段のくだりでは、まだ答えの可能性が三つあるが、次の言葉の一文字目で確定するとか。

「○○はXXXXXXですが、△△のNNNNNNは何?」みたいな問いでも△の最初の音が確定ポイントだとすると、△の最初の音を発する直前の口の動きだけを見てボタンを押す、みたいな勝負が行われるらしい。

なので、問題の読み手が最後まで問題を読み上げる前に手元のボタンを押すのは当たり前なのだが、最終問題にて飛んでも無い事が起きる。

読み手がまだ一音も発していない状態でタレントクイズ王がボタンを押してしまう。誰しもが、あーあ、やらかしてしまったな、ミスタッチでボタンを押したタレントの負けを確信する。

ところが、そのタレントクイズ王が放った言葉に対して、ピンポーンの正解の音が響く。
主人公はじめ誰しも何が起こったかわからないまま、番組は終わり、優勝賞金はタレントクイズ王の手に。

準決勝まで勝ち進んだメンバ全員、番組に対して納得の行く説明を求め、クイズ経験者たちはほぼ全員、ヤラセがあった事を確信する。

この話は、どう考えたっておかしいこの最終問題での出来事を主人公が、どうやってタレントクイズ王が正解できたのか。
ヤラセ以外の可能性を全て排除してこそ、ヤラセが確定する、と調べ始めるところから始まる。

とはいえ、どれだけの可能性が出てきたところで、一音も発していない段階では答えの可能性は無限大だ。たとえ、最初の一音の口の動きが見えたところで、問題が確定するはずもないだろうに。

主人公氏は対戦相手の過去のクイズ大会の映像を収集し、また取材をし、分析を行おうとする。

読み進めて行くうちにこの作者、登場する主人公同様にかなりのクイズオタク、クイズマニアなのではないか、と思ったが、巻末に助言をもらった二人の人物の名前が出ていて、その方々がいなければ書けなかったとあるので、巻末の人たちが本当のクイズプレイヤーなのだろう。

それにしても、いくら助言をもらおうが、監修してもらおうが、作者そのものにクイズというものへの思い入れが無ければこれだけのクイズづくしの本は書けないだろう。
仮に助言者の言葉通りに書いたのであれば、作者は単なる代筆屋さんになってしまう。
それほどにクイズづくしの本なのだ。

なんだか読んでいてこちらまでクイズ脳になったように錯覚してしまうから不思議なものだ。


君のクイズ 小川 哲著
14/Feb.2024
#真相をお話しします 結城 真一郎

短編ミステリー小説というふれこみであるが、ミステリーというジャンルが正しいのだろうか。

確かに短編という長さではあるが、最後の落ちのつけ方のなど、ショートショートを読んでいる気分にさせてくれる。

どれも結構、恐ろしい結末なのだが、割と恐ろしさを感じさせないユーモアがある。

「惨者面談」現役大学生ながら、家庭教師をするよりも家庭教師の営業が向いていると説得され、営業で家庭訪問する大学生が遭遇した場面の話。

「ヤリモク」マッチングアプリが題材の話。

「パンドラ」精子提供が題材の話。

「三角奸計」リモート飲み会が題材の話

「#拡散希望」YouTuberが題材の話

どれも現代ならではのツールが題材に使われる。

なんだろう、おちの付け方が星新一を想起させる。もちろん時代も違うし、題材も全く違う。それに星新一にしては残虐すぎるだろう、とは思いつつも。

どれもちょっと、ストーリーにふれただけでネタバレになってしまいそうな話ばかりなのだが、最後の「#拡散希望」だけちょっとふれてみようか。

離れ小島に住む小学生達、インターネットなどは無縁の土地柄で育つ彼らはもちろんスマートフォンなど触る事すらない。

彼らは、親が都会から移住してきた移住組。
島の人々は子供は島の宝じゃ、と何かにつけて親切にしてくれる。
主人公の少年の家では、その日にあったことを話す「報告の時間」というルールなどがある。様々な島のイベントに参加する彼らだが、ある日を境に島のみんなが距離を置くようになる。
彼らの親は実は超人気YouTuberで実は、島での彼らの育ち方、つまり生活丸ごと、全世界に配信していたわけだ。

とまぁ、これだけでも充分にネタバレなのでこれ以上書くわけにはいかない。

それにしても、よくこういうストーリーを思いつくものだ。

#真相をお話しします 結城真一郎著
13/Feb.2024
土竜 高知東生

勢いのある土佐弁の会話のやり取りがテンポよく気持ちがいい。

竜二という少年の生い立ちとその周辺の人々の話が各章毎に綴られて行く。

息子や娘の育て方に失敗したと語る老婆の元に子供四人兄弟姉妹の一番下の娘がいきなり息子を預かってくれ、と子供が置いて行く。

はちきんなその娘、若いうちに土佐を飛び出し、神戸やらの高級ラウンジで、一番人気となり、関西の大物極道の親分連中がこぞってかわいがる様な女性。
その娘が置いて行ったのは神戸の若手任侠の親分のとの間に出来た息子の竜二。

竜二の母親は神戸の親分が留置されている間に高知へ戻り、高知の二大勢力の一つを牛耳る組長の愛人となった為、竜二はその組長の息子と思われて育って行く。

中学生になった竜二はから喧嘩も強いし、男前で女子にモテモテ。
他校の女子が校門で出待ちをするほどのモテっぷり。
そんな中で彼が最も心にとめたのは「パンパンの娘」と学校で苛められながらも凛としている夕子と言う女性。

高知から東京へ出るにあたっては、読者としては大いに期待したところだが、次に登場するシーンでは、だいぶ年数が端折られて薬物事件を起こして干される状態になった役者の竜二。一流の美人女優の元夫という扱い。

この高知東生と言う人まさか役者だったりして、と検索してみると、なんとまぁどっかで見た事のある俳優さんだった。

プロフィールを見てさらにびっくり。
出身は高知県。
父親が暴力団組組長で幼少期は・・と、やけに細かいプロフィールが出て来る出て来る。
まるで、この本を元にプロフィール書いたんじゃないかと思えるほどに。
その後の展開もほぼ本の通り。

自叙伝なのかこれは。

どこまでが創作なのか、どこまでが、実話なのかはわからないが、そのプロフィール通りに話は進んで行く。

なんかすごい本に出会ってしまったな。
それにしても自身では学が無いと書きながらもこれだけ読者を引き付ける本を執筆出来るのだから、大した文章力だ。
それに周辺の人たちの描き方がそれぞれ個性を引き出していて面白い。
自身では立ち会っているはずが無いので、創作なのだろうが、ブルセラと一緒に自身の陰毛を通信販売する、かつての同級生の高校教師やその先輩など描き方などあまりに痛快すぎて笑ってしまった。

元俳優さんというより、立派な作家先生だろう。

土竜  高知東生著
25/Jan.2024
六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成

大学生の就活の話。就活の時期は大震災があった年ということなので2011年なのだろう。だとしたら、民主党政権時代で結構就職が厳しい時代だったと思う。
就職氷河期と言ってもいいぐらいじゃなかったじか。
2024年の今とはだいぶ様相が異なる。
当時は企業は選ぶ側、現在はというと学生が選ぶ側。

当時の学生は内定が取れないので何社も何社も受けていたが、今は選ぶ為に何社も何社も受けて、内定を複数もらうのは当たり前のご時世。

といはいえこの本に登場するスピラリンクスなる会社、5000人以上の応募の中から、複数回の選考を経て、最終参考まで残しているのが、たったの6名。さらに選考が続くなんて、企業側のコスパ悪すぎじゃないのか。
都度都度の会場費、運営スタッフの人件費、諸々を考えたってどう考えたって途中で締め切ればいいだけの話。

この話、途中まで読んでやめた人が居たとしたら、その人が応募する側であってっも、採用する側であっても採用活動に対して嫌悪感しか残らず、不幸な結果を招く本になっていただろう。

最終候補6名に絞られた中で採用側から告げられたのは、その6名で一ヶ月かかってのグループディスカッションを行い、企業側へのプレゼンを行って欲しいというもの。
内容が良ければ、6人全員採用もあるし、採用者0もある。

で、6名はそれぞれの持ち味を活かしてどういうアプローチをするかを皆で定期的に集まって練り上げる。
その段階ではどう考えたって全員採用OKだろうと、思われたが、プレゼン直前になって、採用は1名になったとの連絡が企業から来る。
プレゼンをするはずが、その日は6名全員でその一人を選んで欲しいというもの。
なんじゃそりゃ。
これまで、調査して来たこと、話し合って練り上げて来たことが全部パーになる。

で、話し合って決めるといったって、結局投票しか手段は無い。
何分かおきに自分以外の誰かを投票する。

第一回目の投票の後、事件が起こる。
全員宛ての封筒が見つかり、その中には○○さんは、過去にこんな事をやってました、という暴露ネタが封筒に入っているのだ。

一通目の封筒を開けてしまったので、もうその場はパニック状態だ。
残りを開けるか開けないかで言い争いになり、誰がこんなものを用意したんだ、と疑心暗鬼になり・・。

と書けるのはせいぜいこのぐらいまでだろう。

これ以上書くとネタバレになる。

それにしてもそこまでして入りたい会社なんて本当にあるのか。

入ったら本当にバラ色の人生になると信じているのか。

最後の最後でこの話はほっこりとした気分にはなるが、就活ってなんだろう、とあらためて考えさせられる一冊だ。

六人の嘘つきな大学生 浅倉 秋成/著
22/Jan.2024
ギフトライフ 古川真人

近未来小説。日本の人口は減少し続け、3600万人台へ。
西暦何年の想定かはわからないが、内閣府の推計の今から100年後の4000万人台前半よりもさらに少ない。

都市以外ではほとんど人は住んでいない。
九州に至っては、今よりひどくなる一方の台風の影響で人口減少によらずとも人が住めなくなり、人が暮らしているのは福岡の一部のみ、という有り様。

現代日本が問題と捉えている問題、少子化、高齢化、リスキリングによる雇用の流動化などなどを解決しようとしたら、こんな社会になった一例みたいな話。

人々はポイントにより、管理され、子供を持てばポイントは付与される。
年老いて、介護に頼らざるを得なくなる前に安楽死を選択し、子供たちにポイントを残そうとする。
人は二つ三つの会社に掛け持ちで務めるのが普通になり、雇用も流動化しているのだろう。
リニアは福岡まで走り、自動運転の車からは引っ切り無しにCMが流れ、映し出される。
GPSにて位置を管理される車はのが当たり前。

安楽死は老人のみだけではなく重度の障害者に対しての生体贈与という制度もある。
生体贈与に関しては父親が同意すれば、自動的に本人も同意したことになる。

この本、「ディストピア」として紹介されていたが、どうだろう。

かつてジュール・ヴェルヌが描いた未来小説で『二十世紀のパリ』という話がある。
科学万能主義が支配し、文化や芸術は金銭換算でのみ評価され、政治も世襲政治家によって占められ、世の中を動かす巨大な計算機が街を差配し。地下や高架を走る鉄道・・・ヴェルヌの生きた19世紀にては、およそ考えられない世界、荒唐無稽な話だからこその「ディストピア」だと思うのだが、100年に1度と言われる台風、線状降水帯等の大雨が毎年の様に発生する昨今。少子高齢化の波はもう待ったなしのところまで来ている昨今。

この本にあるような世界は今後の世界の一つの選択肢なのかもしれないが、政府がこのようなポイント制度を設ける事はないだろうが、一部の話はそんな先では無く、もう直近の様にも思える。
決して「ディストピア」では無いのではないだろうか。


ギフトライフ 古川 真人著
27/Jul.2023
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祝日やお正月には日の丸の掲揚を